先週のNHK「麒麟がくる」。ジーンとこみ上げるものがありました。
「花子とアン」の伊藤伝右衛門の役もかっこよかった。やはり長年シェイクスピアなどの演技をされているからなのでしょうか。演技が上手なんてもんじゃない、観客(視聴者)の心に響く何かが伝わる。ちょいワル親父風もいい。。。
はまり役という以上に、吉田鋼太郎さんじゃないとダメ!っていう程良かった。
さて、今回も茶道具に関連した話が盛りだくさんでした。
私のような初心者がここで述べるのは大変おこがましいのですが、自分の勉強のためそして感じた事を綴らせて頂きます。
松永久秀 1508年~1577年
畿内中心に活躍した戦国時代の武将。
タイトルの「平蜘蛛」は松永が命の次に大事にしていた名物茶釜。蜘蛛が這いつくばっているような形からそう呼ばれています。
茶釜の分類として
形は「真形しんなり」
があり、平蜘蛛は天明釜になります。
【平蜘蛛】
松永が所有していた天下一の名物とうたわれていた茶釜。信長が殊の外欲しがっていた。
正式名称は『古天明平蜘蛛(こてんみょうひらぐも)』。低く平らな形状が、蜘蛛がはいつくばっている形に見えることが、名前の由来といわれている。
このころの武将にとって、茶の湯は欠かせない教養の一つでした。また、名物茶器を所有することが、権力者であり文化人でもあるというアピールになり、持っていない者は権力者ではあっても文化的とはみなされなかった。
中でも信長には、「天下の名物は天下人のもとにあるべきだと」いう考えがあり、降伏する武将が名物茶器を持っていれば、命の代償として献上させていたともいわれている。
信長は、天下一の名物とうたわれる『古天明平蜘蛛』は松永久秀ではなく、自ら所有するのにふさわしいと考えていたのかもしれない。
(NHKサイトより)
ドラマの後半に松永の死後、伊呂波大夫は松永から預かってきた平蜘蛛茶釜を明智光秀に渡し、松永の伝言を伝えます。
『これほどの名物を持つ者は、持つだけの覚悟が要る』と。いかなる折も、誇りを失わぬ者、志高き者、心美しき者。『わしは、その覚悟をどこかに置き忘れてしもうた』と。十兵衛に、それを申し伝えてくれ」
信長は松永は自分に大名名物を渡さなかったことから、「お前にはその志、誇り、美しい心を備えておらぬ」という松永の気持ちを分かっていたのでしょう。だから焼き尽くされた茶道具を見て悔しがっていたのではと思います。
私の父は大の車好きです。
私が20代の頃、父の車を時々運転しておりました。
当時はPeugeot406(左ハンドル)を乗っていました。
私が荒い運転したり車内を掃除しないと
「Peugeot に乗る資格ない! Peugeot に乗るならそういう品格のある運転しなさい」
とよくたしなめられました。(事故っていたわけではない)
レベルの違う話ですが、ふと今回の松永に通じるものを感じました。
茶道具も然り、ブランド物を購入すること自体は否定しません。
そういう人間になりたい、と思って目標にして購入することは素晴らしいことです。
そして所有したら誇りを持ちそれに相応しい品格、振る舞いが必要ですね。
次回の「麒麟がくる」も楽しみです。
因みに、平蜘蛛の茶釜は諸説あります。
松永が自害する時に火薬を入れて割ったという説、焼け尽くされた城から発掘されて復元されたという説などがあります。
今回の説も池端俊策氏らしいストーリーだなと思いました。
それではまた。